国境 2018 9 23
書名 国境ある経済の復活
著者 藤井 厳喜 徳間書店
もう昔になりますが、
私は、若い頃、フランスに行ったことがあります。
学生時代に勉強したのは、英語とスペイン語でしたので、
フランス語は、全くわかりませんでしたが、
フランス滞在中は、全く不便を感じませんでした。
私は、世界史が好きだったので、
フランスの歴史も、しっかり勉強しました。
また、フランスは農業大国なので、
日本の農業政策に役立つものがあるかもしれないと思っていました。
さらに、私は、美術や音楽が好きなので、
パリは、最適の場所と感じました。
そもそも、キリスト教文化に興味がありましたので、
実りある旅行となったのです。
このような私は、たとえ移民となっても、
違和感なくフランスで暮らしていけるでしょう。
もうひとつ加えるならば、
フランスは、チーズ大国です。
チーズ好きの私にとっては、「チーズ探検」ができます。
このような私でも、
常々「国境はあったほうがよい」と思っています。
このサイトでは、世界各地の情報を集めた結果、
国際情勢に関する文章が多くなっていて、
さながら「ボーダーレス(国境がない)」という状態になっていますが、
それでも、私は、「国境があるべきだ」と思っています。
オバマ政権時代に、
「グローバリズム」や「ボーダーレス経済」が加速しましたが、
このようなことをやって得するのは、投資家と国際経営者だけです。
不思議なのは、普通の人が、
「グローバリズム」を称賛していたことがありましたが、
これは、マスコミが「グローバリズム」を称賛していたことで、
その影響を受けたのでしょう。
「グローバリズム」は、オバマ政権時代だけでなく、
クリントン政権時代やブッシュ政権時代にもありました。
当時は、アメリカ国内の工場を閉鎖して、
メキシコに工場を建てるということをやっていました。
そのうち、中国に工場を建てるという話が出てきました。
これで、誰が得をして、誰が損をするか、わかりますか。
植民地経営 2016 1 14
植民地というと、19世紀から20世紀に行われた、
列強国による領土獲得合戦を連想しますが、
植民地経営のポイントは、安い労働力の獲得だったと考えています。
そうすると、現代においても似たようなことが行われています。
資本家が、いや大企業が、メキシコや中国を実質的な植民地として、
安い労働力を獲得していく様子が、
かつての植民地経営を連想させます。
さて、もう20年近く前になるかもしれません。
あの当時、知人と、こんな議論をしたことがあります。
アメリカ国内の工場を閉鎖して、メキシコに工場を建設する。
そうすると、人件費が削減できて、利益が増えて、株価上昇。
そして、CEOは、膨大な報酬を得る。
はたして、これで、よいのだろうか。
アメリカ国内の労働者は、どうなるのか。
知人と、このような議論をしたのは、
もう、20年前になります。
アメリカの政治家は、こうした問題を20年間も放置しておいて、
今頃になって、トランプ氏が、この問題を取り上げています。
アメリカと私では、「時差」が20年もあるのか。
なんだか、タイムトラベルで20年前に行った気分です。
このように、時計の針で計る時間は同じでも、
全員が同じ時代を生きているとは限らないのです。
過去も未来も、同じ空間に共存しているのです。
(参考)
上記のように、海外に安い労働力を求めるという手法もありますが、
難民を大量に受け入れて、安い労働力として使用するという方法もあります。